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私は、監察方から女中になった。
主な仕事は、料理に洗濯、掃除、隊士の世話……その他諸々。
同じ女中の美祢さんは、仕事の内容を優しく教えてくれた。
容姿端麗で、時折見せる微笑が綺麗な美祢さんは江戸の出らしい。
貧しい暮らしをしている両親を助けたくて、この京までたった一人で来て……その時、丁度結成された組織が、 新撰組の前の隊名である、壬生浪士組。
そこで、屯所である八木家の方だけでは、隊士全員の面倒を見るのが大変だから、近藤さんや土方さんは女中を募集した。
誰一人応募をしない中、どこでもいいからとにかく働きたいと思っていた美祢さんは、ここで働かせてもらう事になったそうだ。
そして今は、夜ご飯を作っている最中だ。
私は味噌汁、美祢さんはおかず担当。
ご飯はいつの間にか、美祢さんが炊いていた。
……何だか申し訳ないです。

