吉田さんは、刀を私に振りおろしてくる。 だけど私もそれを避ける。 苦無と刀がぶつかり合う音。 下や隣の部屋からは、立て続けに聞こえる誰かの悲鳴……。 果たしてそれは、仲間の物か、敵の物か。 分からなかった。 それに混じって、誰かが激しく咳をする声も聞こえてきた。 ……まさか、沖田さん? 沖田さんは労咳を患い、この事件で喀血するって聞いた事が──。 助けに行かないと……っ! 「……はぁ、はぁ…」 しかし、どんどん乱れていく息。