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「にしても、困ったな。池田屋か四国屋か……」
近藤さんは短くため息をついた。
「トシ、お前どっちだと思う?」
「あぁ……古高が言っていた通り、四国屋の可能性が高い。だが、裏の裏をかいて池田屋という可能性もある。はっきり言ってどっちもどっちだ」
「そうだよな……」
「しかも、皆風邪をこじらせやがって」
近藤さんは、またため息をついた。
そうなのだ。
新撰組は現在、体調不良者が多く、出動できるのは三十四人しかいない。
暫くの沈黙の後、近藤さんは意を決したように口を開く。
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