「はい。分かりました」 私はそう言って、土蔵の中に足を踏み入れた。 入った途端に血生臭い匂いが鼻をつく。 そして、ぬるぬるとしている地面……。 「……っ」 何だか、いつかの記憶が蘇ってきそうだった。 それでもその気持ちを消し、足を進めていく。 後ろには、ぞろぞろとついて来る幹部達。 そして──。 目の前には、縄で吊るされた古高俊太郎。 古高さんは虚ろな目を私に向けた。 体中傷だらけで、痛々しくて見ていられない。