── ─── ──── 「──で、……が…」 「……だな、そうすれば──」 長州の者らしき人がいる部屋の上。 私と山崎は監視を始めた。 ふと隣の山崎を見ると、静かに目を閉じて耳をすませている。 何分も経ったが、何も役に立つような情報は出てこない。 それでも、じっとして話を聞く事に集中した。 これがどんな事件に繋がっていくんだろう。 そう思いながら。 その時、ふと一つの単語が耳に入った。 「──桝屋(ますや)に……」