闇ノ花





完全に露になった私の顔を見るなり、奴は少し目を細めた。


……顔を、見られた。


虚しさと悔しさ、訳の分からない感情が胸の内をざわざわとざわめき、思わず唇を噛む。


嘘だ。嘘だ。


負けた……?


私が、こんな奴に……。


認めたくない。


悔しくて涙が出そうだ。


だけど、こんな奴の前で泣きたくなんかなかった。


さらに強く唇を噛み、涙を押し殺す。





「屯所まで同行してもらおうか」





奴は、素早く私の腕を縄で拘束した。


と、とん……しょ……?


何それ。何それ……。


急に意味不明な単語を言わないでほしい。


ここは、どこ?


あんたは、誰?


腕を引っ張られ、立ち上がる。


私……これからどうなるの……?