脇差しだから、小さめの物でいいんだと思う。 だから、脇差しらしき物をいくつか手に取り見比べた。 「あ……」 すると、私の手にすっと馴染み、重さも丁度いい物を見つけた。 柄の部分が黒い脇差し。 「これ下さい」 そう店の人に言って、私はお勘定をした。 それから渡された脇差し。 それを持って、私達は外に出た。 「あの、これで用事済んだので。風呂敷返して下さい」 「いや、送る。家はどこだ」