闇ノ花





本当何なんだこの男は。


とにかく……追っ払わないと。


ため息をつきながら男の方を向いた。





「何なんですか、私これから用事あるんです。急ぎの用事なんです。だから構わないで下さい」


「いや、そんなでけぇ荷物持ってるからほっとけねぇんだって」





男はそう言いながら、無理やり私から風呂敷を奪う。


……最悪。


両手は軽くなったけど、また小さくため息をついた。





「で、どこに行くんだ」


「……。脇差しが売ってる店です」


「場所分かってんのか?」


「分かりません」