「大丈夫です」 短く返し、痛いのを堪えながら立ち上がる。 そして、風呂敷を手に抱き立ち去ろうとする。 だけどこの男はしつこかった。 「笑って悪かった。持ってやろうか?お前これからどこ行くつもりだ?」 「……」 ……これがいわゆる、ナンパってやつかな? この時代にもあったんだ。 私はこの男から早く逃れたい一心で、歩き出した。 「待てって!その足じゃキツイだろ!」 確かにキツイけど! ほんと何なの⁉ どっかに行ってよ……!