闇ノ花






雪はもう結構溶けている。


今は、コンクリートではなく土の地面が見えていた。


まだ幕末に来てからそんなに経ってないけど、冬が終わるのは早いなと感じた。


それにしても……着物、重い。


すごくというわけではないけど、重い。


これから脇差しも買いに行くしな……


残念だけど、これだとお団子は食べれないかも。


脇差し脇差し……


……どこ?


着物があって、前がよく見えない。


きょろきょろと周りを見回す。


その時だった。





「わ……っ」





どんどん近付いてくる地面。