闇ノ花





赤とピンクと黄色。


その生地には、花や蝶などの綺麗な柄が付いている。





「……」





何だか、すごく高価に見えるのは気のせいだろうか?


私は恐る恐る、店の人に聞いた。





「あの、これ高いんじゃ……?」


「そうかて、あんさん別嬪さんやもん!わて、そないな子にはこういうの着てもらいたいんや」


「で、でも……お金があんまり……」





これは土方さんのお金だ。


そんなにいっぱい使えるわけがない。


戸惑っていると、その人は綺麗に微笑んでそっとこう言った。





「半分負けたる」





本当に小さな声で。