紺色の生地に、大きな牡丹の柄がついた模様の着物を着ている。
すごく綺麗な人だった。
「あの、私に丁度いいくらいの大きさの着物、三着下さい。出来るだけ、安い物でお願いします」
「へえ、分かりました」
その人はにっこり笑うと、店の奥へと消えていった。
この店の中は、当然だけど着物がたくさん置いてあった。
女物の着物や、男物の着物。
色とりどりでたくさんの柄がある。
それから、店の済の方には少しだけど簪や櫛も売ってあった。
すごい……綺麗な物がたくさんある。
「お客さん?これでええか?」
店の中をまじまじと見ていると、店の人が着物を持ってきてくれた。

