ふわりと心が軽くなった気がした。 「そうだ、お前」 「はい?」 「着物、三つくらい買ってこい。それから、脇差しも」 土方さんはそう言うと、懐に手を突っ込んで、私にお金を渡してきた。 「え、いいんですか」 「あぁ。そんなむさ苦しい格好は見てられねぇからな。脇差しは護身用で持っといた方がいい」 あ……そっか。 私は男物の着物を着ていた。 確かに、汗くさい。 「金が余ったら団子でも食ってこい。あんま食うなよ?一本までなら許す」 「ありがとうございます」