── ─── ──── 着替えてから、私はまた昨日と同じように庭へ行った。 昨日は、お酒を飲んだせいで桜の木をちゃんと見る事が出来なかった。 今はまだ、花も葉もついていない。 だけど、しっかりと立っている。 ──新撰組と重なって見えた。 私はまだ、史実の新撰組しか分からない。 ここにいる、新撰組の事はまだ分からない。 だけど、武士になる為颯爽と走る姿。 咲き誇ろうとしている。 まだまだこれこらだ、と。 そんな所が……桜のようだった。 「小松」 「……!」 聞こえてきた声に振り返る。