唇を引き結ぶと、木を盾にしながら反撃に出る。 苦無を次々と投げつける。 が、全てかわされ、木や地面に音を立てて刺さる。 木を登り、上から投げる。 それもかわされる。 かわされては投げ、投げられてはかわして。 ひたすらその繰り返しだった。 「ちっ」 小さく舌打ちを打ち、私は木の上からバッと飛び降りる。 くるくると回りながら、狙っていた奴の目の前に足をつき……苦無を振り上げた。 奴も私のように、黒い服を纏っている。