考えても考えても、愛羅がキスしたという事実が俺の頭から離れない。
どうなってんだよーっ!
愛羅は俺が好きなのか? ただの幼馴染みじゃなかったけ?だからなんでキスになるんだよ、俺どうしたらいい?
くっそ、わかんねぇ!!
悶々としているうちに夜になり、風呂に入り、まだ頭の中には愛羅がキスしたという事に困惑していた。
悩むのも疲れて、そのまま寝てしまった俺は また、いつものように足音近づくのを感じていた。
ただ、いつもなら寝ているが、今は昨日と同じく狸だ。
そして、愛羅もいつもならドアを勢いよく開けて入ってくるはずなのに、猫のようにそっと入って来たのがわかった。
ベッドに腰かけて俺を見ているのはわかる。
確かめたくなった。
愛羅がなぜ俺にキスしたのか… どうしても知りたかった。
だから、パッと目を開けると間近にある愛羅の目と合った。
驚き過ぎて愛羅は声も出せず 数秒、互いに止まり見つめ合うが、愛羅はバツが悪かったのか視線をそらして、逃げようとした。
「 こら、待てよ!愛羅っ」
俺は愛羅の腕を引っ張り、ベッドに流すように倒して馬乗りになって逃がさない。
愛羅は必死に俺を見ようとしない。
「 愛羅、俺に何する気だ?」
「 な、なんにも!なんにもだよ、起こそうと思っただけ!」
違うな… 嘘つきめ!
「 俺にキスしようとしたのか?」
「 っ!! ち、違っ」
真っ赤になる愛羅に、俺は愛羅の気持ちがわかった。
キスした理由は、単純に俺が好きだからだ。
可愛く思えて当然だ。
きっと痩せたのも、外では別々に歩いていたのも、俺のため。ブス羅とあだ名のある愛羅なりの気づかい。

