そばで唖然と口を開けている悠真や坂原の友達。
「 淳利… 大丈夫? 」
愛羅… お前、強いんだな。
「 大丈夫だよ。坂原、愛羅にはもう手出すなよ?じゃあな 」
愛羅がアカンベーと坂原に舌を出していたなんて事は知らない。
「 悠真、愛羅と帰るわ。またな 」
おう。と、愛羅の強さを見た悠真は呆然としたまま帰る。
「 愛羅、あんな奴にファーストキスやんなくて良かったな 」
何気なく言っただけなのに、キョトンとして また寂しそうな顔をした愛羅。
朝にも同じような顔をしたのをおぼえている。
なんだ、この変な違和感…
歩きながら考えていると、左を歩く愛羅の手がトンとあたると、そのままスッと俺の掌に温もりを感じた。
…っ!! 愛羅?
愛羅が照れたように俯き加減で俺の手を握って繋いでいる。
なんでだ? 愛羅、なんだよ手なんか…
内心かなり驚いていた。
まさか手を繋ぐなんて、しかも愛羅から繋いできた。
「 私… お腹すいたな… 」
「 じゃあ、なに食べる? 」
俺と愛羅はファミレスに入りピザを注文した。
愛羅はずっと空手をやっていた。
だから痩せたのかと、くだらない事を考えていて気づいた事がある。
俺、なんでこんなに愛羅の事ばっか気にしてんだ?
じっと愛羅を見つめていると、今まで気づかなかった事が見えてくる。
長いまつげ、白い肌、細い指、みれば意外と華奢だが出てる物はしっかりある。
愛羅の視線が俺とぶつかり そらせなくなった。

