なんだって愛羅にキスなんだよ、ブス羅だぞ?
みんな知ってんじゃん、なのに今?
愛羅を隣に歩幅を合わせて遅刻決定で歩いている。
門手前に愛羅が足を止めた。
「 淳利… ごめんね。じゃあ、先に行くね!」
「 え、おいっ」
なんなんだ…
愛羅はいつもそうだ。
外にいるときは必ず俺から離れる。
その理由はわからない。
俺は、何となく教室には行かず、図書室に入って、一番奥の席に座り ぼうっとしているうち日射しがあったかくて寝てしまった。
誰かが呼んだ気がして、意識が完全に覚める前、フワッと何かが俺に触れた。
当然わかるわけもなく、夢だと思った。
何だかんだで俺はしっかり授業をサボって、明日からテスト期間だというのに。
サボった俺を見つけた友達の悠真が飛び付いてきて、俺に言った。
「 淳、ちょっと付き合え!腹減った 」
「 いいよ、俺も食う 」
「 なぁ、淳の幼馴染みのアイツ、ブス羅さぁ急にキレイになったよな?後輩がブス羅けっこう気に入っててよ、告ろうか悩んでたんだよ 」
へぇ物好き。けど確かに愛羅のやつ、痩せたし可愛いといえば可愛いよな?
「 お前幼馴染みなんだし、どうよ?ブス羅が愛羅だぞ?ときめいたりしてんじゃね?」
俺が愛羅を?ときめく?……ない。

