その時… 「 やっ、きゃあっ!!」

今、愛羅? アイツの声だよな?

俺はもう走ってた。愛羅の声のする方へと。

「 愛羅っ!」

どこだよっ…

角から出てきた愛羅が俺にぶつかった。
俺の顔を見た愛羅が目にいっぱい涙を溜めていた。

「 じゅ、淳利… 怖かっ… 」

ギュウッと腰元に抱きつき泣く愛羅を、ただ抱きしめた。

なにがあった? サッカー部の奴は?

泣く愛羅を抱きしめながら、泣かせた奴はどうしたんだと辺りを見ていると、そいつが腰を押さえて少しよろけながら出てきた。

「 お前… こいつに何したっ!」

「 は、それは俺のセリフだ!こんな女だとは… お前バスケの金山だろ、自分の女ならしつけとけよ!」

はぁ?俺の女じゃねぇし!
なんなんだよ、バカ野郎がっ

「 愛羅、何してたんだアイツと。泣くなって 」

「 だって… 話あるからって言われて… そしたらキスしようとしたんだもんっ」

あ? キス!?なんだそれっ
おいおい、つまり失敗してムカついてたんかサッカー部の野郎は。

「 アホくせっ、行くぞ 」

って… 離れねぇし。

「 愛羅 もう大丈夫だからさ、な?遅刻確定だけど 」