「おに~いちゃんっ!」



後ろから ぽふっと抱き付くと、お兄ちゃんは うおっと驚きながら後ろを振り返った。



「何だレイムか。びっくりさせんなよ。」



お兄ちゃんは うちを見て笑うと、その場から立ち上がった。



「何してたの?」


「かくれんぼ。」


「え? じゃあ隠れなきゃ――。」


「ルーヴ見ーっけ!!」



うちの言葉に被るように、明るい男の子の声が聞こえる。振り返ると、お兄ちゃんの友達の1人が、うち等の方を指差して笑っていた。



「げっ、ちょっと待てよソル。今のは妹が乱入して来たから――。」


「へっ、言い訳かよ。妹の前で見苦しいでやんの~。」


「何だと!?」



ソルを追い掛け回す お兄ちゃんを見て、うちは くすくす笑った。



うちは、自他共に認める お兄ちゃんっ子。



優しい お兄ちゃんが、大好きなんだ。



毎日 遊んで、笑い合って。



こんな毎日が ずっと続くと思ってたのに。



終わりは、突然だった。