お婆ちゃんは車が運転 出来るけど、家に車は1台しか無くて、それには お父さんと お母さんが乗って出掛けていた。少し遠くに行くみたいで、近所のバス停からバスに乗った。
「愛光、落ち着いて聞いてね。」
お婆ちゃんが私の両手を握って、顔を覗き込んで来る。私は こくんと頷いた。
「……さっき、病院から電話が在ったの。」
「病院から?」
「そう。あのね……お父さんと お母さん、事故に遭ったんだって。」
何を言われているのか解らなかった。ううん、解りたくなかった。
「……怪我したの?」
訊くと、お婆ちゃんは俯いた。
「……怪我で済んだら、どれだけ良かったか……。」
その先を、お婆ちゃんは言わなかった。でも、解ってしまった。
「……死んじゃったの?」
小さな声で訊くと、お婆ちゃんは一瞬 目を見開いて。
遂に、ぽろりと涙が零れた。
お婆ちゃんは肯定も否定も しなかったけど、それが答えみたいなものだった。
「…………。」
お父さんと お母さんが、死んだ……?
全く実感が湧かなくて、唯お婆ちゃんの背中を擦る事しか出来なかった。


