お父さん、お母さん、ライネス。



私は、本当は
巫女に なりたくなかったのかも知れない。



皆から敬われ、奉られる、
とても高位な地位だと解ってた。



その代わり、独りで、
唯、イラ様の為だけに、
祈り続けなければ ならない、
虚しい地位だと言う事も、解ってた。



そう、私は虚しい人間なんだ。



ねぇ、ライネス。
私、貴方が好きです。



でも、私は その想いを
貴方に告げる事も出来なくなってしまった。



貴方を助けられるかも知れないと、
巫女に なったのに、矛盾してるね。



例え虚しさを感じても、
私は真っ直ぐ前を見据えて立つよ。



巫女である私の姿が、
村の人達の生きる糧でも在るから。



だから貴方も、私を見守ってて?



私も、独りで頑張る貴方を
見守っているから。



いつか、この虚しさから解放されて、
大切な人達と笑い合える、
そんな生き方が出来たら良いな。