ライネスは、自分は弱いから、虐められるのは当然だと思ってる。だから いつも誰に対しても優しいし、心配してくれる人には笑顔を向ける。



ライネスは優しいから、傷付けたくないだけなのにね……。



彼は、私の数少ない友達。と言うか、私にはライネスと、ウィンと言うグリフォンの女の子しか、友達は居ないんだけど。



でもね。



ライネスは、友達であると同時に、私の大切な人なんだ。



私の――初恋の人。



だからこそ、私が守ってあげなくちゃって思う。



私の魔法は、ライネスを守る為にあるんだって、思うんだ。



「リホちゃん、今 帰り?」


「そうだよ。お買い物して来たの。ライネスは どうしたの?」


「いつもと同じように森に行ってたんだけど、帰りに見付かっちゃって。飛べれば見付からないかも知れないのにね。」



そう言って、ライネスは やっぱり柔らかい笑顔を作る。



普通 幻獣は4、5歳くらいには、背中に翼が在る者は、空を飛べるようになる。今年6歳に なったライネスは、まだ飛ぶ事が出来ないらしい。それも龍族達には気に障るみたい。



「そっか、じゃあ お家迄 付いてってあげるよ。また虐められたら嫌でしょ?」


「ほんとに? ありがと!」



私とライネスは手を繋いで歩き始める。



平和で、幸せな、私の生活。



ずっと続くと思ってたのに、終わりは突然だった。