綺麗に舗装された道を歩きながら、辺りに広がる森を見つめて、涼やかな気分に なった。



今日は お母さんに頼まれて、商店街で夕食の材料を買いに行ったとこ。今は家に帰る途中。



足取り軽く歩いていると、遠くに村の男の子達が5、6人 集まってるのが見えた。まさかと思って近付いてみると、やっぱり予想通り、男の子達の中心で頭を抱えて蹲ってるのは、金と黒のメッシュの髪を持つ友達だった。



「こら! また やってるの!?」



声を張り上げると、私の姿を認めた男の子達は ぎょっとして逃げ出した。



「やっべ、リホが来たぞ!」


「早く走れって!」



私は、自分で言うのも何だけど、同い歳の子と比べると、魔法が強い。だから村の子供達からは ちょっと恐れられてるんだよね……。



男の子達に虐められていた龍の子は、ゆっくりと顔を上げると、私の姿を見て微笑んだ。



「リホちゃん……また助けてくれたんだ……ありがと。」



彼――ライネスは、魔法の威力が極端に低くて、空界の守護を任されている龍族の恥だと言われて、いつも虐められている。



皆から恐れられてる私を全然 怖がらない、優しい子なんだけどな。皆それには気付かない。



「ライネス、どっか痛いとこ無い?」



見える傷に手当たり次第に回復(ヒール)を掛けると、彼は また、小さく笑った。



「うん、無いよ。」



その笑顔を見て、胸が きゅっと苦しくなる。