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「ほら、入ろうよ橘君」


「やっぱ俺いい」


「何言ってんの!ここまできて!ほら小沢君も橘君引っ張って!」


「・・・別に翔太の好きなようにさせれば?ってか会わす顔がねぇんだろどうせ」




立花桔梗と書かれた病室の前。

俺は入るか否かをもう10分ほど右往左往している。



立花がもう入院して2週間もたっているらしい。

それ以上に俺は立花に会っていない。


そして・・・。

俺は圭介の言うとおり立花に会わす顔がない。



「あーもう。うっぜぇな!」


圭介が俺の背中をぐいっと押す。


「うわっ圭介やめろよ」


「ぐずぐずすんな!俺はお前の事許したわけじゃない。だけど・・・立花ちゃんが会いたがってんだよ!」


「えっ・・・」




ガラガラと病室の扉が開き、目の前に真っ白な部屋が広がった。


完全個室のベッドの中に長い黒髪の女の子が一人。



窓から見える景色を見ているようだった。




「立花・・・」