「送ってもらいたい…ですけど、家遠いんですよ」


 あんまり言いたくないけど…。


「いいわよ、ドライブしましょ♪」

「ふふ…はい♪」


 話を聞いてた涼が鞄を取ってきてくれることになった。

 今は…まだ10時30分か。

 どうしようかなぁ…。


「瀬戸さん」

「はい?」

「私、職員室に行ってくるから少し待っててね」

「はーい」


 時間があるしお金もあるし…あそこ、行こうかな。

 …や、やっぱやめよ。

 もし誰かに会ったら…。

 ―ガラッ


「…?」


 誰か入ってきた。

 カーテンはまた閉められているから誰かわからない。


「…藍架?」

「―ッ!」


 この声、は…。

 カーテンが開けられる。


「…光」

「…目、覚めたんだな」

「あ、うん…」