初夏が訪れ、試験が終わった。
最後の教科が終了した瞬間に、一気に教室の空気が緩む。
このあたりのスイッチの切り替えにかけては、わが柿坂高校はかなりレベル高いんじゃないかと思う。
昨日までは「数学の範囲どこまでだっけ!?」という切羽詰った内容だった話題が、
すっかり「夏休みどこ行く?」と言ったくつろいだ話題に移っていて、
教室のざわめきは解放感に満ちている。
私自身、今すぐにでも海に行きたい気分。
窓の外に目をこらすと、遠くのほうにかすかに、キラキラ眩しい初夏の太陽を反射する白い海が見える。
前の席の藤の背中が、大きく伸びをした。
さっそくその周りに、友人たちが集まってくる。
「藤、試験どうだったー?」
「聞くな!」
「もういいじゃん、試験のことは忘れようよ」
とりあえず試験お疲れってことで遊ぼうよ、と女子の一人が提案する。
「ディズニーランドとか行きたいな」
「俺はイヤだ!!」
「あんたには聞いてないからっ。どう? 藤」
話を振られて、藤は少し考えてから、じゃあせっかくだしクラスの親睦会にしようよ、と提案した。
「というわけだから、マッキー。よろしく」
「はぁ!?」
突然藤がくるりと振り返って、当然という顔で笑い、私は驚いて声がひっくり返ってしまった。
聞き耳を立てていたのは認めるけど、まさかいきなり話をこっちに投げられるとは。
「なんで私!?」
「だってクラス委員じゃーん」
あんた城田さんよりタチ悪いよ、と心の中でこっそり呟く。
最後の教科が終了した瞬間に、一気に教室の空気が緩む。
このあたりのスイッチの切り替えにかけては、わが柿坂高校はかなりレベル高いんじゃないかと思う。
昨日までは「数学の範囲どこまでだっけ!?」という切羽詰った内容だった話題が、
すっかり「夏休みどこ行く?」と言ったくつろいだ話題に移っていて、
教室のざわめきは解放感に満ちている。
私自身、今すぐにでも海に行きたい気分。
窓の外に目をこらすと、遠くのほうにかすかに、キラキラ眩しい初夏の太陽を反射する白い海が見える。
前の席の藤の背中が、大きく伸びをした。
さっそくその周りに、友人たちが集まってくる。
「藤、試験どうだったー?」
「聞くな!」
「もういいじゃん、試験のことは忘れようよ」
とりあえず試験お疲れってことで遊ぼうよ、と女子の一人が提案する。
「ディズニーランドとか行きたいな」
「俺はイヤだ!!」
「あんたには聞いてないからっ。どう? 藤」
話を振られて、藤は少し考えてから、じゃあせっかくだしクラスの親睦会にしようよ、と提案した。
「というわけだから、マッキー。よろしく」
「はぁ!?」
突然藤がくるりと振り返って、当然という顔で笑い、私は驚いて声がひっくり返ってしまった。
聞き耳を立てていたのは認めるけど、まさかいきなり話をこっちに投げられるとは。
「なんで私!?」
「だってクラス委員じゃーん」
あんた城田さんよりタチ悪いよ、と心の中でこっそり呟く。