僕は雨の中に立ち彼女が、居なくなった場合を想像した。


彼女が、居なくなった場合も僕は彼女が、喜ぶ作品を書きたいと思った。


そう思うと泣けて来た。


激しい雨にずぶ濡れになりながら、泣けて来た。


僕は猫になってしまっても彼女を愛していた。


その愛の形は独特な物で人に簡単に理解されない物だと思う。

それでも愛しているとハッキリ言えた。


店に戻るとマスターが、バスタオルと珈琲を持ってきて置きながらボソリと呟いた。


「彼女は生きてますよ。」



珈琲を飲みながら煙草を吸うと生きてると感じた。


そして彼女も生きてると感じた。


ニャオンと猫の声が聞こえた気がした。


ニャオンと猫の声が……