「奈桜はずっと梓さん一筋だもんな。理想的なカップルだよ」


奈桜は気を落ち着かせようとコーヒーを飲んでいたが、碧の言葉にむせて咳き込んだ。


「何?どうした?大丈夫?」


その様子にちょっと驚いた碧が慌てて奈桜の背中をさする。


「いや、何でもない。ありがとう。ちょっと……コーヒーが変なとこに入った」


まだコホコホ言っている。
心が一緒、鋭く奈桜を見た。


「バレンタインどうだったの?」


心があえて突っ込んで来た。


「えっ?あぁ。バレンタイン?バレンタインね。うん、良かった。良かったよ」


焦っているのがよく分かる。
が、他のメンバーには何も気付いていない。


「良かったってなんだよ。刺激が強いって」


奏の言葉に泉と碧が楽しそうに笑う。


「あいつ……、ジョナサンを喰いそうだな」


心が横目で奈桜を見ながら呟いた。