「来た!」
光が小さい声で、でも力を込めて言う。
奈桜もつられてさとみの方を見る。
「光さん。いつも助けて下さってありがとうございます。これ、一生懸命に私が作ったんです。絶対に美味しいですから。あとで食べて下さいね」
両手でにっこり笑顔で小さな紙袋を光に渡す。
受け取る光の指とさとみの指は触れるか触れないかの距離。
光の目はさとみを見つめてトロトロに溶けている。
『ありがとう』の言葉さえすぐには出て来なかった。
それほどヤラレてた。
意外と光は純粋なのかもしれない。
そしていよいよ次は奈桜。
端にいた為に、渡すのも最後になっていた。
「じゃ、私、他の方にも渡して来ます。今日もよろしくお願いします」
軽く頭を下げ、笑顔で部屋を出る。
一瞬、中の空気が重くなった。
みんなの顔も驚いて硬くなる。
「えっ?奈桜さんには渡してないんじゃない?」
さとみは奈桜だけキレイにスルーした。
光が小さい声で、でも力を込めて言う。
奈桜もつられてさとみの方を見る。
「光さん。いつも助けて下さってありがとうございます。これ、一生懸命に私が作ったんです。絶対に美味しいですから。あとで食べて下さいね」
両手でにっこり笑顔で小さな紙袋を光に渡す。
受け取る光の指とさとみの指は触れるか触れないかの距離。
光の目はさとみを見つめてトロトロに溶けている。
『ありがとう』の言葉さえすぐには出て来なかった。
それほどヤラレてた。
意外と光は純粋なのかもしれない。
そしていよいよ次は奈桜。
端にいた為に、渡すのも最後になっていた。
「じゃ、私、他の方にも渡して来ます。今日もよろしくお願いします」
軽く頭を下げ、笑顔で部屋を出る。
一瞬、中の空気が重くなった。
みんなの顔も驚いて硬くなる。
「えっ?奈桜さんには渡してないんじゃない?」
さとみは奈桜だけキレイにスルーした。

