「これ以上、仕事の話をしたら、きっと奈桜に嫌われるって思った。散々、悩んだのよ。色々、いっぱい。でも、私にはこうする道しかなかった。でも、でも、奈桜とは別れたくなかった。絶対に。だから。だから、こうなったらアメリカに行って、うんと遠くに行って、簡単に離婚届を持って来れないようにしようって思ったの」
真剣に話す梓を見て、奈桜は余計に愛おしくなる。
こんな事で離婚を遅らそうとしたなんて。
らしくない幼稚な考えがおかしくもあり、可愛い。
大体、自分が梓をここまで追い詰めた。
離婚なんてするはずないのに。
奈桜は梓の両手を自分の両手でそっと包んだ。
梓の鼓動が伝わるようだ。
そこには新しい命の音も重なっている。
「温かい手。この手はオレの命綱だよ。絶対に離せない。絶対に」
梓の大粒の涙がゆらゆら揺れて、ポトリと落ちた。
真剣に話す梓を見て、奈桜は余計に愛おしくなる。
こんな事で離婚を遅らそうとしたなんて。
らしくない幼稚な考えがおかしくもあり、可愛い。
大体、自分が梓をここまで追い詰めた。
離婚なんてするはずないのに。
奈桜は梓の両手を自分の両手でそっと包んだ。
梓の鼓動が伝わるようだ。
そこには新しい命の音も重なっている。
「温かい手。この手はオレの命綱だよ。絶対に離せない。絶対に」
梓の大粒の涙がゆらゆら揺れて、ポトリと落ちた。

