「てっぺんなんて極めてませんから。お先に」


これ以上関わるとろくな事はない。
早々に引き上げるのがベスト。


「つれないヤツだなぁ。ファンが見たらがっかりするぞ」


奈桜はもう振り返らない。
早く家に帰りたい気持ちもある。


「梓は元気か?ガキ作んなよ。アイツはまだイケるからな。気を付けろ」


「大きなお世話だ!」


つい振り返り大きな声を出してしまった。
周りに誰もいなくて良かった。と、一瞬で我に返って奈桜は思った。


「お疲れぇ~~」


ふざけた声で言うと背中を向けて手を振りながら行ってしまった。
いつもそうだ。
神川は奈桜をイラつかせる。