パパはアイドル♪vol.3~奈桜クンの呟き~

「いてっ!」


不意に突き飛ばされて、奈桜は不本意ながらも壁にぶつかった。
この力はどこから来た?
奈桜の頭は軽くパニックになる。


「……だい……じょう……ぶ?」


さっきの力が余りにも強かったのと、何か無言の圧力のようなものを感じて、遠慮がちに梓の後ろから聞く。
ただ、手だけは梓の背中を優しくさすっている。


しばらく梓は何も言わなかった。
苦しそうに吐くだけ。
吐くといっても、たいして吐くものも無いように感じた。


「ありがとう。口……ゆすぐ」


洗面所に行こうとする梓を支えて連れて行く。
吐いてすっきりしたのか、さっきよりしっかり体を支えている。
奈桜は少し安心した。


「何か飲む?」


「うん。炭酸がいい」


水かお茶を欲しがると思っていた奈桜は驚く。
今、吐いたばっかりなのに、炭酸?