パパはアイドル♪vol.3~奈桜クンの呟き~

「黙っててしんどかったんじゃないですか?バカですよ。なんでもっと早く言ってくれなかったのかなぁ?私、そんなに頼りないですか?」



「ううん。違う。私自身の問題。ほんと言うと、さっきまで迷ってた。……違うわね。ほんとは最初から決めてたのよ。『産む』って。奈桜の子供だもん。欲しいに決まってる。産むに決まってる。だけど……」


「周りを説得する自信がなかった。ですか?そんな自信いらないでしょ?何のためにいるんですか?そのまま『産みます』で丸投げすればいいんですよ。女優なんだから。アハハ……」


青木の豪快な笑い声に、梓はまた呆気に取られる。
結構、頼れる存在かもしれない。
梓は何も言えず、ただ安心したように笑う。


「もう、一人で抱え込まないで下さい。私は事務所の人間だけど、梓さんの強い味方です。えーと、奈桜さんの次にね。出来る限りの事をします。映画、どうなるか分かりませんけど、傷は最小限に食い止めますから。やってやりますよ」


何故か青木が燃えているように見えた。