「俺の作戦、成功したろ?」


「…うん。

でも、良かったの?

蒼甫君と気まずくなってない?」


「んー。まぁ。あれから口は聞いてないけどな…」


チクンと胸が痛む。


瀬名君が言い出してくれたこととはいえ、二人の友情がギクシャクするのはいやだ…。


「優月、髪伸びたな」


「え…?」


「いろいろあったから余裕がなかったのはわかるけど、その前髪はちょっと長過ぎるぞ」


「うっ。そ、そうだよね」


「俺が切ってあげるよ」


「え?」


「前髪くらい切れるよ、俺だって」


「でも…」


「俺はプロじゃないから、タダでいいし。

今日月曜で定休日だし。

俺が切ってやるよ」


うーん。


確かにこの長さはいただけないかも。


「…お願いします」


「了解」


瀬名君はにっこり笑った。