集合場所は瀬名君の自宅から近い駅前に18時。


私は10分前に着いてみんなを待った。


「優月?」


「あっ、蒼甫君」


ダークブラウンのダウンジャケットを着た蒼甫君は、制服の時以上にすごくかっこ良くて。


久しぶりに蒼甫君を間近に見られて、私は嬉しくてたまらなかった。


「わからなかった。いつもと雰囲気違うから」


「あ、これ?」


私はスカートを指差した。


「うん。めずらしいね。ってか初めて見たかも。
でも、すげー似合ってるよ」


「ほんと?ありがとう」


少し照れながら笑った。


「お待たせ~」


甘ったるい声に振り返ると、階段を下りるさっちゃんと斉藤君の姿が見えた。


二人はしっかり手を繋いでいる。


相変わらず仲がいいなあと、なんだかうらやましく思った。


「こんばんは。今日はその…、ホントにいいの?俺も一緒で」


斉藤君が申し訳なさそうに言う。


「当たり前だろ。いいに決まってる」


蒼甫君は屈託のない顔でにっこり笑った。


斉藤君は真面目で、本当に誠実そうな人。


だからさっちゃんを安心してまかせられる。


蒼甫君と瀬名君も、きっとそう思っているに違いない。