次の日。


私は学校へ行くのが少しおっくうだった。


暑さに少し、バテているのかもしれない。


今年は特に、残暑が厳しいみたいだ。


瀬名君はついに、薫さんの本性を知ってしまった。


すぐ恋人と別れて、連絡先を変える。


まともな恋愛が出来ない。


驚きの連続だった。


あんなに美人で、人当たりもいいのに。


人には、裏の顔というものがあるのだろうか。


あの綺麗な薫さんからは想像出来ないほどのギャップ。


人って本当にわからない。


私は少し、頭がキリキリしていた。


昨日見た、瀬名君の悲しそうな顔が忘れられない。


瀬名君に抱きしめられたこと。


そんなこと蒼甫君には言えない。


言ってしまえば、なんとか保ち続けて来たバランスが、いとも簡単に崩れ落ちていきそうで…。


忍び寄って来る不安を、私は必死に掻き消した。