なんだか不可解で、重い気分になる夏休みの最後だったけど、とりあえずニ学期が始まった。


「おはよう、優月ちゃん。久しぶりだねー」


「おはよう、静華ちゃん。ホント久しぶり」


「蒼甫と少しは会えたの?」


「少しって言うか、一回しか会えなかったの。

蒼甫君、ずっと離島で撮影があって」


「たったの一回?

あの蒼甫がよく耐えれたねー。

ーで、撮影は無事に終わったの?」


「うん。離島での撮影は終了したって。

あとは、こっちで撮るのが少し残ってるみたい」


「そうなんだー。アイツ、宿題やら勉強する時間あったのかなー」


「夜とか、撮影の合間にやってるって言ってたよ」


「大変ねぇ。あっ、噂をすれば」


「えっ?」


静華ちゃんの視線の先を見ると、蒼甫君が教室のドアから入ってくるところだった。