その女の子はお弁当袋を持って来て、蒼甫君に見せた。


「うん。可愛いね。これいいじゃん」


「でしょー?私これ大好きなの」


「俺も欲しいなー」


蒼甫君がそう言うと、他の女の子達も私達の方へ寄って来た。


「神崎君、こういうキャラクターが好きなのー?私も持ってるよー」


「ホント?見せてよ」


「きゃー。私も持ってくるー」


気がつけば、私達の周りに人だかり。


なになに?どうして?


蒼甫君と話せる貴重な時間を、明らかにジャマされてるんですけどー。


でも当の蒼甫君は、なんだか楽しそうで…。


むぅー。


なんかちょっと嫉妬しちゃう。


そんな私に気づく蒼甫君。


なぜかウインクをされてしまう。


何?それ。


そんな爽やかな顔したって、膨れっ面は直らないもん。