三人でバスに乗り込むと、一番後ろの座席に座った。


私の右に蒼甫君がいて、左に瀬名君が座っている。


バスの乗客は、どうやら私達だけのようだ。


「ちょっと今日暑いよな。窓開けようか」


そう言って窓を開ける蒼甫君。


すると、一気に風が吹き込んで来て、三人の髪が風ではためいた。


目を細める私達。


しばらく走ると、真っ青な海が見えて来た。


今日は良い天気なので、海がキラキラして眩しい。


「綺麗…。蒼甫君、あの鳥なに?」


「あれ?あれはカモメ」


「すごく沢山いるね」


「うん」


真っ白で本当に綺麗。


「見て行く?」


瀬名君が優しい声で呟いた。


「うん。見たいな」


「じゃあ、おじきん家の近くの海へ行こうか」


あの海か…。