文化祭と期末試験が終わり、私達は冬休みを迎えるだけになっていた。


松波さんのブランドは、あれから売れ行きが好調らしく、イチャさんはすごく喜んでいた。


瀬名君と仕事場で出会ってからというもの、私達は以前と同様に、三人でいる時間が増えたように思う。


今日も私達は昼休みに屋上に来ていた。


なぜかわからないけど、私達はここが一番落ち着くようだ。


「蒼甫、優月。ちょっと話がある」


「話…?」


瀬名君があらためて私達に話って何だろう?


「あのさ。俺、雑誌の専属モデルになった」


「「えっ?」」


「前、見開きで載ったあの雑誌」


あ、あれか…。


「すごいな、瀬名。おめでとう」


「瀬名君、おめでとう。良かったね」


瀬名君、本当に本格的なモデルになったんだね。


「これでやっと薫に罪滅ぼしが出来るかな…」


そう言って瀬名君は、ホッとしたように息を吐いた。


罪滅ぼし…か。


瀬名君の言葉に、私は胸がチクンと痛んだ。