7人が同じクラスになったことで、やっぱり毎日がすごく楽しくて。


時間が経つのが恐ろしいほど早かった。


新しいバイトには、週3回通った。


イチャさんはすごく優しくて親切で、私はアルバイトもとても楽しくこなした。


充実した一学期はあっという間に過ぎ去り、あとは夏休みを迎えるだけになっていた。


「夏休み、優月はどうするの?」


いつものように、私の席の前に後ろ向きに座って話しかけてくる蒼甫君。


「私は、アルバイト探そうと思ってるの」


「え?あの事務所のバイトはどーすんの?」


「朝から夕方まで入りたいって言ったんだけど、そこまでアルバイトに支払える余裕がないんだって。

だから夏休みの間は、他でバイトしていいよって言われてるの」


「へぇ…そうなんだ」


「蒼甫君はどうするの?」


「俺は夕方サーフィンなんだけど、昼間は海の家でバイトするつもりなんだ」


「海の家って、夏の間だけ海水浴場にオープンするお店のこと?」


「うん。おじきの友達がさ、夏の間は海の家やってんだ。そこを手伝うんだよ。

去年も俺はバイトしたんだけど、今年は瀬名も一緒にやるんだ」


「瀬名君も?」


「あっ、そうだ!優月も一緒にやらない?」


「えっ?いいの?」


「こっちからお願いしたいくらいだよ。マジでピーク時はめちゃくちゃ忙しいから。
特に土日とか来てくれると、ホントに助かる」


やったー!


じゃあ私、今年はそこでアルバイトさせてもらおう。


蒼甫君のおじさんのお友達のところなら、きっと安心だしね。