「ほ、本当ですか!」

「ええ…本当です。
……もう一度お聞きしますが、絶対にこのことは週刊誌などには言わないと約束して下さるんですね!?」

「もちろんです!
絶対に他言はしません!」

今度の情報は真実だった。
俺達は、ついに行方不明になっているあの男性の家を発見した。
そこにはちょうど男性の妹さんが来ており、和彦さんは男性のことで話を聞きたいと言ったが、妹さんはそれを冷たく拒否した。
しかし、その後の和彦さんの話によって、妹さんの態度は急変した。
それは、咄嗟の和彦さんの作り話だったのだけど、俺もその話に巻きこまれ、どごまぎしながら俺はどうにか話を合わせた。
和彦さんの作り話は、カリスタリュギュウス流星群の見られたあの日、俺の妹が死んだペットが生き返るように願いをかけたら、その犬がどこからともなく現れたという話だ。
ただ、その犬は病気で死んだためか、生き返ってからもずっと具合が悪そうで、生き返った三日後にはまた死んだということにしてあった。
そして、俺がそのことで和彦さんに相談し、興味を持った和彦さんがカリスタリュギュウス流星群のことを調べているうちに、あの男性の事件を知ったと…そんなうまい作り話だった。
境遇が似てるせいか、妹さんは週刊誌などには絶対に言わないということを条件に、あの事件について重い口を開いてくれた。



「実は、あの日の早朝、兄から興奮した声で電話があったんです。
そう…あの流星群が見られると言われた次の日のことです。
兄は、あの流れ星に異常な関心を持っており、義姉さんを生き返らせてもらうようにお願いをするんだと、それはとても楽しみにしていました。
なんでも、あの流星群は奇蹟を起こす不思議な力を持っているとか言って……
兄は、義姉さんが亡くなってから精神的に少し不安定になっていましたし、それで兄の気が晴れるならと、私も特に何も言わなかったんです。
ところが、電話で兄は義姉さんが帰って来た!生き返ったとそりゃあもうすごい喜びようで…でも、嘘を吐いてるようには思えませんでしたから、もしかしたら精神に異常を来たしたんじゃないかと私はとても不安な気持ちになりました。
そしたら……」

妹さんはそこまで言うと急に俯き、ぷっつりと言葉が途切れた。