崩れた壁やホコリまみれの壊れた椅子。
穴のあいた床からは雑草が侵入している。
そんな忘れ去られた廃墟の中で一室だけ、住人がいたかのような形跡のある綺麗に整頓された部屋があった。

その部屋には様々な種類の薬品や、色んな形をした刃物等が棚に並んでいる。

そう。
ここは逮捕される以前、金山くんが愛用していた隠れ家だった。

鼻唄まじりに鋭利なメスを取り出すと、ライターの火で刃をあぶってから、ためらうこともなく大きな鏡を見つめ一気に―――………



「―――…ギッ…ぁあああッッ!!―――………」




自分の顔の皮膚を切り取った。



肉の焼ける臭いと煙がひろがり、床には鮮血が滴る。


涙目の金山くんは原始的な方法で自ら整形をした。