「え…どうした?ま、家はいれ」

元カノが家にくるとは。

俺も考えてはいなかった。

「竜太と別れちゃったぁ…。

 ふっちゃったんだぁ…。」

無理して笑う梨花を抱きしめたかった。

だが、もう迷惑はかけれなかった。

写真のこともあった。それは…

俺の『弱さ』のせいだった。

「別れるとか…お前も男たらしだな」

ふざけながら言った。

でも、今は冗談も聞かない状況だって

知っている。でも…俺は

梨花に嫌われなくてはいけない人だ。

梨花を突き放さなくてはならない。

「…そ、そうだよね…。」

と言うと涙をこっそりふいていた。

「優介に戻ろうかな…」

というと「なんちゃって」と笑った。

本心ではないのはわかっている。

梨花のことだから昨日の美麗のことで

竜太と別れたのだろう…。

でも、俺に戻る…という言葉だけで

うれしかった。…抱きしめたくなった。