竜太は探してもいない。

教室も、グラウンドも、体育館も。

「なんで、いないの…!?」

ゆっくり歩いていると話しかけられた。

「久しぶり、りーかちゃん♪」

ニコニコしていってきたのは…

「美麗…さん…」

「いやー竜ちゃんとられたから、

 恨みもたねぇわけねぇだろ…ブス。」

…笑顔が消えた。

毒を吐いた美麗さんが再びニコニコする。

(…なんて恐ろしいんだ…。)

「竜ちゃんとね、さっきチューしたんだ」

「嘘だってわかってますんで。」

といい美麗さんを避けて行こうとした。

よけて行くと美麗さんが「ふふふ」と

ご機嫌そうにわらった。

「えー?竜ちゃん、今理科室で実験

 してるよ?…女の子の…ね」

ニコニコしてる美麗さん。

満足そうだった。妖艶な笑みを

うかべながらわたしにちかづいた。

「う、嘘は…いいです」

するとあたしの耳元でこそっといった。

「んー信じてくれないか。

 竜ちゃんが女子にデート誘われて

 …その子と…ね」