「あ、あの人、有学の人!」

「おっ、梨花」

優介がいた。少し安心した。

でも、すぐに私の笑顔は消えた。

「…梨花?」

そこには竜太がいた。

足がふるえ、泣きそうになった。

それに気がついた玲人はわたしの手を

握った。

「あんた、梨花に何すんだ。」

と聞いたことのないくらいの強い声で

玲人君はあたしをひっぱって歩いた。

「玲人君!?」と聞いても返事はせず、

だいぶ歩いたところ。

「ごめん…勝手に『梨花』って呼んで。」

(え、そっち!?)

確か、普段『竹内さん』って呼んでた

からびっくりしたけれども。

でも、それより竜太が追いかけて

くれなかったことに傷ついた。

「俺さ、竹内さんの事が好き」

その瞬間、目があった。

でも、全然…ドキドキしない。

すると無理矢理キスしようとしてきた。