すると、先輩はあたしにもっと顔を

近づけてきた。

唇の距離は1cm。

「ん!?」

まわりにはキスしたように見えたみたいで

「ギャアアアアアア」と叫んでいる女子…。

「あと、俺のこと竜太って呼べよ?」

といい手を引っ張って玄関へ向かった。

手をがっちり握られた。

(やばい緊張するんだけど…)

いつもより横田先輩…いや、竜太が

かっこよくみえた。

(彼女のフリだもんね、大丈夫)

学校を出て細い道へいった。

人がいないのを確認して手を離した。

竜太は早歩きでついていくのが精一杯。

「ちょ、はやっ…」

すると、ピタッと止まった。

(あれ!?)

覗き込むと耳が赤くなっていた。

「セン…竜太?大丈夫?熱!?」

「ちげぇよ…アホ。」

といい抱きしめられた。

「人いないから別に…え!?