「勉強の妨げになるではないか」
……メガネ越しのするどい視線で、真面目にそんなことを言われる。
「ご……ごめんなさい」
おとなしそうな性格だと思ってたけど、意外と冷たい。
「今回は仕方ないですが、次からは気をつけてください」
そう言って、しぶしぶ机をくっつけて教科書を見せてくれた、田中くん。
「ごめんなさ……」
────ガンッ!!
私が田中くんに謝ろうとすると、後ろからすごい音がした。
反射的に、私も田中くんも振り返る。
「ハム子、これ使え。
だから、早く机もとに戻せ」
そう言って、数学の教科書をポイッと投げてきた緒方くんは、
なんだか機嫌が悪そう。
すごい目で田中くんを睨んでる気が……。


