高二の今から、遡ること約八年前。 小学校三年生。 確か、あの日も今日のように酷く寒い日だった。 ──君は突然、俺の世界に飛び込んできた。 ─────── ─────────…… 『速水 有紗です。今日から宜しくお願いします』 そう自己紹介したあとにペコリと頭を下げた有紗。 再び顔をあげ微笑んだとき きっと俺はもう、有紗が好きだった。